「静かだな」


「そうだな」


「谷にいると平和だと思うか」


「思うな。少なくとも、今は」


「始まるぞ」


「いつ・・・」


「半年も経たぬうちに」


「先見か」


「嫌な力だ」


「何を見た」


「・・・・・闇」


「・・・そうか・・・我々は勝利か」


「判らん。ただ、闇が見えただけだ」


「私は中つ国に留まれるか」


「・・・・・・・・・・・」


「どうだ」


「・・・・・・・・・・知らん」


「そうか」


「勝敗は判らん。ただ」


「ただ」


「闇が中つ国を覆う。それは見えた」


「未来か。それでは我々の負けになる」


「私の先見など当てにするな。未来は自分の手で」


「掴む。オロフェア殿の口癖だ。すっかり移ったな」


「一緒にいるんだ。嫌でも移る」


「勝っても負けても、闇は残る」


「お前がいても、いなくても、私は生きる。それと同じだ」


「愛がないな」


「あってたまるか」


「本当のことを言わないのは、愛だからと思っていいか」


「なに」


「私は中つ国に留まれない」


「・・・・・・・」


「きっとマンドスの館へ行くだろう。そう感じる」


「私は行かない。父上は・・・行く」


「そうか。辛いか」


「現実は受け止める。だが先見はいらない」


「そうか」


「私は哀しみに暮れてマンドスには行かない」


「そうだな。お前は戦って傷ついて、マンドスへ行く」


「そうだ」


「出来ることなら、お前と背中合わせで戦いたい」


「お前の小さいお目付け役の焼きもちを買うのは嫌だ」


「エルロンドか。あいつを怒らせると怖いしな」


「私は父上と共にいる。先見を否定してやる」


「無理はするな。私はお前とマンドスに行きたくない」


「こっちだって願い下げだ」


「愛がない」


「あってたまるか」

















エルフと人間の最後の同盟を結ぶ前のお話。

ギル=ガラドとスランドゥイル様。
ギル=ガラドっていう人は、フィンウェの家系の人だからとっても偉い筈。だけれどもスランドゥイル様はそんなのどうでもいいという感じ。敬語は決して使わない。

うちのスランドゥイル様が尊敬している人は2人。それは生涯変わらない。シンゴル王と父オロフェア。
だけど敬語はシンゴル王だけ。

スランドゥイル様は誰かの下にいてほしくない。
彼は上に立つ人だから。うん。















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