ある日、闇の森の顧問長は困り果てていました。


「仕事して下さぁい!!!!!!!!!!!!」


原因は、色とりどりの石を見続けている王様でした。
朝からこんなだった王様を、執務室まで連れて無理矢理椅子に座らせたものの。机に足を乗せ、石を見る事をやめないのです。

自国以外の国とあまり関係を持ってこなかった闇の森でも、エスガロスからの書状や、ロリアンや裂け谷からの書状は来ます。その返書をしたためるのは王様のお仕事なのに、一向にやる気配を見せません。

長いもので、と言ってもエルフの流れでは瞬きの間に過ぎるのですが、3年は返書を出していないものが何通もあります。それは決まって裂け谷への返書なのですが。


「王。何度も申し上げているように!!返書をしたためて下さい!」

「返書をしたためるより、石を眺める方が面白いのだ」


顧問長が何度言っても、今のように返されるのでした。

王様の石好きは今に始まった事ではありません。
遠い遠い昔、エルフの時で言っても遠い昔のこと、王様がドリアスの森にいた頃に仕えていた偉大なる王が、石を大変愛でていました。それに感化され、王様も石好きになってしまったのです。
その時、偉大なる王から貰ったエメラルドの原石を、王様はとても大事にし、今でも持っているのです。


「昨日は明日やると仰いましたよ!さっさとやれば私に文句を言われず、ゆっくり石を愛でる事も出来ましょうに」

「面倒臭いのだ」

「それが一国の王が言うセリフですかっ!!!!!」


顧問長は頭が痛くなって、机に片手を付けました。
いつも王様はこうなので慣れていると言えば、慣れているのですが。
今机にある、溜まりに溜まった書状の1番上には、ロリアンのガラドリエルからの書状がありました。

ガラドリエルの奥方と言えば、いつも穏やかな微笑みを絶えず皆に向けており、温和な性格として知られるケレボルンの妻にぴったりだと言われています。しかし、馴染みの者には本来の性格を現す事もしぱしぱ。
王様は常々、ロリアンのガラドリエルは魔女だ。魔女だ。と言っており、ロスロリアンは魔女の住処だと言う噂は、もしかしたら王様が広めたのかもしれません。

そして、沢山の書状の1番上にあるロリアンからの書状は、かれこれ3日前のもの。闇の森からの返書が来ないと、ガラドリエルはプンプンになっているでしょう。その姿を思って、顧問長は密かに苦く笑いました。
そして、


「ガラドリエルの奥方が、お怒りになられる姿が目に浮かぶ」


ぼそっと呟きました。
その小さな呟きに、ピクリと王様の耳が動いたと思うや否や、持っていた石を置き、筆を取りました。

おやおやと、顧問長はニヤニヤ王様を見ます。
どうやら、今の言葉は効くようだ。
ニヤニヤしている顧問長を見、王様は拗ねたように言い放ちました。


「・・・・・・・・気まぐれだ」

「判っておりますとも、王よ」


ゆっくりとですが、返書をしたためていく王様に礼をして、顧問長は執務室から出て行きました。
王様は、顧問長が去って行き、ふぅと溜息を付いて机に置かれた石を眺めました。その石は、王様が仕えていた偉大なる王人から貰った大事なエメラルドの原石でした。


「・・・仕事など、私に合っていないと思いませぬか・・・?」


遠い昔に、エメラルドの原石をくれた王を思い出しながら、普段誰にも見せないような笑顔を浮かべ、王様は返書をしたためていきました。












スランドゥイル様の大切なものベスト5。

1.石 (シンゴル王が愛していたから)
2.ギリオンの首飾り(バルドから貰ったものだから)
3.葡萄酒(バルドの国・エスガロスから仕入れているから)
4.森(森を愛するシンダァルであり、森と共に生きるシルヴァンと同化した為)
5.レゴラス(息子だから)


こんな感じのスランドゥイル様。
my設定は、息子のレゴラスが大好き大好き離さなぁ〜いvvv
な感じではありません。多少親バカは入ってますが。












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