「本当に。お前の弓の腕は凄いな」 「有り難う御座います。これが私の取り柄ですし」 「ふぅん」 「剣はあまり好んで使わないので、自然と弓に触れる時間が多い」 「もしかしたら、我らエルフの戦士よりも、お前の弓の腕は上かもしれぬな」 「そんなまさか。人間がエルフに敵う筈がないでしょう」 「判らぬよ。イシルドゥアの剣の腕は、ギル=ガラドよりも上だった」 「それは。ギル=ガラド様は槍を好んでお使いになるから」 「私も弓より剣を好んで使う。どうだ、バルド。一勝負せぬか?」 「御戯れを、スランドゥイル。目の良いエルフに敵う筈がない」 「それこそ判らぬ。私はもう何十年も弓に触れた記憶がない」 「感覚的に覚えているものでしょう」 「そうかな。まぁいい。勝負するぞ」 「全く。ですが、貴方と勝負するのも面白いかもしれませんね。いいでしょう」 「では狙いはあの木の的だ。そうだな、勝ったら私を抱いても良いぞ」 「・・・負けたら?」 「私が乗っかってやる」 「それは。手を抜いて負けたくなる条件ですね」 「む。手加減は許さぬ。本気の勝負だ」 「承知致しました。では、先に私から・・・・」 結果は秘密。 |
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