「こんな所にいたのか」


「探していたのか?」


「そんなところだ。探すのに時間がかかったが」


「見つからぬ自信があった。コレは緑森で1番高い木だしな」


「何を見ている」


「空と森と、かつて住んでいた場所」


「そうか。ここからではそう見えまい」


「あぁ、全く見えない。山が邪魔だ」


「あの地にいたかったか」


「いたかった」


「緑森を出て、あの地に行きたいか」


「・・・・・それは判らぬ。父上は?」


「私はここにいたい。向こうへは行きたくない」


「何故」


「向こうまで行くのには遠すぎる。面倒臭いだろう」


「その返答は父上らしい」


「そうか。お前はあの地を愛していたか」


「無論だ。愛さぬ筈がない。愛さぬ理由もない」


「そうだな。お前はあの地を愛していた」


「いきなり何故そのような事を問う」


「何となくだ。昔の事を思い出してな」


「・・・・・・・父上?」


「スランドゥイル。お前は母親を覚えているか?」


「・・・いや、覚えていない。というよりも知らぬ。顔も声も」


「そうだな。知りたいと思うか?母を、知りたいと思うか?」


「思わぬ。私は母を知らずに生きる。それが私の定めだ」


「定めか。らしくない言葉を使うな」


「父上こそ。らしくない事を言う。一体どうしたというのだ」


「大戦が始まる。私は戦う。そしてマンドスへ行く」


「父上・・っ・・・」


「お前に何もしてやれなかったかな。そう思った」


「・・・・・」


「そして今。何かしてやろうかな。そう思った」


「らしくない。いつもの父上のように、私の事なぞ気にせずがよい」


「何かしてやりたい。そう思うのだ。今になって」


「何もいらない。ただ傍にいて、いつもの父上であって欲しい」


「私は父として、何かお前にしてやっただろうか」


「してくれた。いつの時も傍にいてくれた。それで十分なのだ、私は」


「そうか。有り難う」


「父上の口から、私への感謝の言葉を聞けるなんて驚きだ」


「そんなに珍しいか」


「無論。・・・・父上が戦い、傷つき、倒れるのは私も見た」


「そうか」


「だが私はそれを認めない。私は自身の先見を否定する」


「お前が見た、私の先を変えるのか」


「変える。変えてみせる。だから、らしくない事は言うな」


「そうか。そうだな。お前は強い。もう私なんか足元にも及ばない」


「買い被り過ぎだ。粋がっているだけさ」


「それも、そうだな」


「だから父上。戦う時は一緒だ。そして倒れる時も」


「いや。私が倒れても、お前は決して倒れるな」


「私とともに行くのは嫌か」


「そうではないが、そうでもある。お前にはマンドスに行ってほしくない」


「私が行きたいと望んでも?」


「そう。望んでも。もし来たら、マンドスに頼み込んで送り返すさ」


「それは酷い。では、父上は私に生きろと言うか」


「あぁ。生きろ。あと何千年も生きろ。永遠に生きろ。決して倒れるな」


「父としての言葉か。息子への」


「今のが、きっとお前への最初で最後の最大限の愛情表現だ」


「そうか。ならば、私は生きる。何があっても」


「それで私も満足だ。そろそろ帰るかな。顧問長が煩そうだ」


「それもそうだな。私も一緒に帰るよ」


「あぁ」


「私も父上を愛している。それは一生涯変わる事はない」


「知っている。変わったら困るがな。我が愛し子よ」

















『会話』 の後の話。オロフェアとスランドゥイル様。

闇の森が好きだ。どーしよーもなく好きだ。どーしよー。
つかシンダァルが好きだ。シンゴル王もルシアンもオロフェアもケレボルンもスランドゥイルもレゴラスも。
シンダァルの同盟でも作ろうか。(エ) ウソウソ冗談ですよ。

シンダァルって人の子と結構関わっているけど、ろくな目にあってない。
それも運命なのかしら。だとしたらすっげー萌える!!!















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